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感染者とのセックスにより梅毒トレポネーマに感染し、約10年をかけて進行

トレポネーマ・パリドムと呼ばれるバクテリアに感染することで発症する梅毒は、中世ルネッサンス時代のヨーロッパにおいて、それまでの神を中心とした思想から人を中心とした思想に変わって、禁欲生活から解き放たれた時期と一致して感染が拡大しました。

梅毒は症状が現れたり消えたりを繰り返しながら、約10年の歳月をかけてゆっくりと進行し、心臓や血管、そして脳に障害を及ぼし、最終的には死に至ることもある怖い性感染症です。

セックスが主な感染ルートですが、感染している妊婦の胎盤を経て胎児に感染するケースもあります。この場合、胎児は先天性梅毒となり、流産や死産のリスクが高くなります。

梅毒のステージは次の4つに分けることができます。第1期梅毒は感染した初期です。感染者とセックスをすることで、トレポネーマ・パリドムが性器の粘膜の傷から侵入して感染が起こります。最初の3週間は潜伏期のため症状は現れず、その後性器に痛みのない硬いしこりができます。オーラルセックスで感染した場合には、唇にも小さなしこりができます。

続いて、股間のリンパ節が腫れてきます。しこりの表面はただれて、そこにトレポネーマ・パリドムが集まるため、触れると感染します。その後しばらくすると症状は治まりますが、梅毒が治ったわけではありません。

第2期梅毒は、感染から3ヶ月くらい経って、トレポネーマ・パリドムが全身に広がった状態です。この時期の特徴としては、皮膚や粘膜にピンク色の発疹がたくさん現れます(バラ疹)。この発疹は向こう3年間ほど現れたり、消えたりを繰り返します。この時期には発熱、頭痛、全身の倦怠感などの症状も現れます。

第3期梅毒になると、顔、鼻、筋肉、内臓、骨にしこりが現れ、周囲の組織を破壊していきます。顔にできた複数のコブによって、容貌はかつての姿とは大きく変貌してしまいます。最後の第4期梅毒に至ると、脳にも障害が及ぶため、知能低下が見られるほか、血管障害によって心臓の状態も悪化します。

世界中に蔓延した梅毒は、1909年に歴史的な治療薬「サルバルサン」が開発されたことにより、ようやく治療への一歩を踏み出しました。そして、1943年にペニシリンによる治療が開始されるに至って、ようやく梅毒の感染者は減少し始めました。