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子宮頸がんを発生させるヒトパピローマウイルスは16型と18型が大半です

近年、若い女性に増えている子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となることが明らかになったウイルス性のがんです。パピローマとはイボを意味しており、肛門や性器周辺にできるイボはある特定の型のHPVへの感染が原因で、女性では子宮頸がん、男性では陰茎がんの恐れがあるため注意しなければなりません。

感染が不安な人はワクチン接種を

男性が発症する陰茎がんはそれほど多くありませんが、女性の子宮頸がんは毎年15,000人が新たにがんを発症しています。

「子宮頚部」は子宮の入り口から3分の1の部分を指しており、その奥は「子宮体」と呼ばれています。子宮体がんはホルモンのバランスが乱れることが発症の原因となりますから、この二つのがんは全く別のタイプとして考えます。

がんを発生させるヒトパピローマウイルスですが、セックスの経験がある女性の半分以上は一生で一度はウイルスに感染するとされているので、通常は問題ありません。

というのも、健康な人は免疫の力によってウイルスは排除されるので、がんの発症には至らないのです。ヒトパピローマウイルスに感染して、そのまま排除されずに感染が持続して「前がん病変」となり、最終的に子宮頸がんを発症する率は0.15%程度です。

感染者の約10%に性器のイボが見られますが、これによって初めてヒトパピローマウイルスの感染がわかります。ヒトパピローマウイルスの感染率は、ほかのSTD(性感染症)と同様に20~30歳代が最も高くなっています。

性器クラミジア、性器ヘルペス、梅毒、淋菌感染症などの性感染症は、セックスの際にコンドームを着用することによりほぼ100%に近い確立で感染を防ぐことができますが、ヒトパピローマウイルスは性器の付け根や陰嚢部分などコンドームでカバーしきれない部分にも感染するため、注意が必要です。

HPV

現在のところ、ヒトパピローマウイルスは100を越える種類が発見されています。その多くは尖圭コンジローマの原因となる6型や11型などの「低リスク型」で、単にイボを発生させるだけです。しかし、16型と18型に代表される「高リスク型」は子宮頸がんの発症と深く関係しており、日本人の発症原因の7割を占めるに至っています。

セックスによって性器の細胞に感染したヒトパピローマウイルスは、自分の遺伝子を細胞の染色体に侵入させて、侵入した細胞の分裂を無制限に行います。こうして正常な細胞はどんどん増殖を続けて、がん細胞に変化するのです

ウイルスの感染を防ぐ手段として、ワクチン接種があります。大手製薬会社メルク(MSD)が開発したガーダシル、グラクソ・スミスクラインが開発したサーバリックスは、国内でも承認されており、国が接種を推奨する定期接種となりました。

しかし、ワクチン接種後に持続的な体の痛み、しびれ、関節痛などの副反応の報告が相次ぎ、その症状に対する十分な情報提供ができていないため、厚生労働省は一時的な措置として、子宮頸がん予防ワクチンの接種を「積極的に推奨することを差し控える」ように通知を出しています(2016年11月末現在)。

ヒトパピローマウイルスに感染してから子宮頸がんを発症するまでには、一部の例外を除いて数年から十数年という年月がかかります。比較的時間に余裕があるため、定期的に子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前の段階で早期発見することができます。

セックスの経験がある人は、誰でもヒトパピローマウイルスに感染し、確率的には低いものの子宮頸がんを発症するリスクがあります。セクシャルデビューをして20歳を超えたならば、2年に1回の頻度で子宮頸がん検診を受けましょう。